2021年(令和3年)今年は、私が現在の千葉市緑区土気町に坂の上外科を開業して以来、45周年を迎えたことになります。
振り返ってみると、当時から私は「地域医療」とはどうあるべきか?医師の使命とは何か?を念頭に据えながら、そのニーズに応える形で外来診療のみならず基準の19床入院ベッドを確保し、しかも、救急医療も受け入れる当直医を配置した「24時間有床診療所」としておよそ30年有余、地域医療に邁進してまいりました。
その後、時代のニーズは、高齢社会における医療と福祉の役割、その機能への期待でした。
その期待に応える形で保健、福祉サービス事業に取り組んでまいりました。
先駆けて、私は1998年、隣接する大網白里町(当時)に国が新たに制度化した医療と福祉の中間型の医療系施設「老人保健施設 杜の街」開設しました。
その2年後の2000年には、増大する要介護高齢者対策として国家を挙げて社会保障制度としての「介護保険法」が施行されました。
そして、3年に1度見直される介護保険制度の枠組みの中で地域の医療ケアと福祉ニーズに応えてまいりました。「要支援、要介護高齢者にいつでも速やかに必要なサービスを提供していきたい」その理念の下、2004年には社会福祉法人 北斗を立ち上げ、翌年、特別養護老人ホーム杜の街を開設。「医療(坂の上外科)があるから福祉へ」をキーワードにして、ご利用者の「尊厳と心身の自立と自己決定権を護る」ことを使命として、医療と看護、介護、リハビリ等、必要なサービスがいつでも提供できるようにサービス事業所を整備してまいりました。
今日、医療法人社団阿呍の会グループ15事業所。社会福法人北斗サービス6事業所のネットワークサービスが構築されております。
この中には、今日地域で支えていく課題として位置づけられている「認知症グループホーム」や在宅にいて介護、看護ケア、リハビリサービスを受けられ、通所介護や介護付き宿泊もできる「地域密着型サービス」も整備されております。
坂の上外科開設以来、およそ半世紀近くを経過した今年は、1つの節目の年となりました。
紆余曲折、苦渋の決断だったかもしれないが次男の豊が今年の8月、順天堂大学医学部准教授を退任し、坂の上外科の院長に就任致しました。
坂の上外科開業の理念と意志を継承し、自ら、地域医療に貢献する決意を述べております。
ところで、今、私たちは「命と健康」をめぐって、きわめて混沌と不安の真只中で生きています。
昨年来から、世界中が新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)禍にあります。
9月20日現在の世界の感染者数は、2億3000万人を超え、死者数は470万人を超え、日本での感染者数は170万人に迫ろうとしており、死者数は17000人を超えていると報じられています。
今年に入り、各国で変異株が増大したり、クラスターが発生したりと医療現場はその対策と治療に追われています。蔓延する感染症と最も社会の前線で戦う医師の使命と役割は、極めて絶大であると自覚し奮闘しております。坂の上外科では、現下の新型コロナウイルス感染症の拡大を阻止するために、ワクチン接種やPCR検査等に積極的に取り組んでおります。
私たちは、信頼できる医療、安心できる治療を目指して地域になくてはならない「坂の上外科」の発展を期すると共に、更にグループである杜の街サービス群が一体となって、高齢社会を支える阿呍の会・北斗グループとして地域医療と福祉への貢献を目指す覚悟です。
(2021年9月記)
理事長 小島 秀一郎
Profile
昭和17年7月生まれ 東京慈恵会医科大学卒
昭和52年、坂の上診療所開設以降、開業医として地域医療の普及に努る。
現在は医療と福祉の地域ニーズに応えるべく、“坂の上外科”“杜の街”グループ21事業所の法人理事長を務める。
当施設の運営方針
私たちは、社会福祉事業を担う誇りと使命を持ち、次の5点を基本理念に据えてサービスの提供に努めます。
名称 | 医療法人社団 阿呍の会 |
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所在地 |
〒267-0061 千葉県千葉市緑区土気町311 〒299-3219 千葉県大網白里市南飯塚404-4 |
理事長 | 小島 秀一郎 |
事業所 |
土気
坂の上外科 大網白里
介護老人保健施設 杜の街 |
職員数 |
グループ総職員数 286名(令和3年9月30日現在) (坂の上外科、阿呍の会・北斗「杜の街」全グループ) ※医師 11名[常勤2名・嘱託、非常勤9名] ※看護師 48名※介護職員 173名 ※リハビリテーション職員 (理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)25名 ※ケアマネジャー(業務専任・相談員含む)14名 ※事務(管理栄養士・運転士等含む)15名 (全職員数の中には、非常勤・パート職員も含む) |